三人寄れば文殊の知恵 あなたのためのアイデア発想30

こんにちは。ホンブチョウです。この連載コラムでは私が今まで学んできたアイデア発想のやり方を毎回ひとつづつ紹介していくことで、あなたに合ったやり方を見つけてもらいたいと考えています。
第三十回は、
チーム発想法
以前、とある授業の中で、1人でやることの限界を感じた事があります。「三水篇のつく漢字を3分間でできる限りあげなさい」というエクササイズ。私は10個くらいから出なくなりました。次に隣の人と見せ合うと自分の思いつかなかった漢字が増えて16個に。今度は6人のチームになればさらに増え、クラスの半分15名程度のものを集めると、もう一つの別チームとほぼ同じくらいの漢字が出て、出し尽くした感がありました。
このようにひとりだけでは、そもそも思いつかないもの。わかっていても思い出せないもの。もう無いと思ってもまだ出てくるもの。などがあるのです。これはアイデア発想でも同じで
・自分だけで出せるアイデア
・自分にも出せそうな感じだけど気づいてなかったアイデア
・自分には全く想像つかなかったアイデア
などが、実際にあるので、広くアイデアを募ることでこそ出てくるアイデアもあるのです。
いまなら生成AIと一緒に考えるというのもアリです。試しに草冠のつく漢字を20個あげてくださいと書き込めば、一瞬で出てきます。
1.草(くさ)、2.花(はな)、3.茶(ちゃ)、4.荷(に)、5.菜(な)
6.若(わか)、7.落(おちる)、8.葉(は)、9.薬(くすり)、10.芽(め)
11.苦(くるしい)、12.茂(しげる)、13.蔵(くら)、14.蒸(むす)、15.蕉(しょう)
16.萩(はぎ)、17.藤(ふじ)、18.薫(かおる)、19.蓮(はす)、20.蘭(らん)
ただ、あまりに早く答えてくれるので、上記の授業のようなライブ感や、腑に落ちる感じが薄いので、人によって合う・合わないはありますね。

さて、今回は以上のことを踏まえて、チームでアイデア発想することを考えていきましょう。
アイデアはそもそも一人で考えるものですが、それを持ち寄り、チームでさらに考えることでより深く、広いアイデアが出てくる。つまり良いアイデアにたどり着きやすくなるという考え方です。
もちろんやり方を間違うと、混乱と妥協のアイデアになってしまうこともあります。
一番よくあるミスが、「いきなりみんなで企画そのものを考え始めてしまう」ことや、「いきなり手法から考え始めてしまう」ことなどがあります。
また、「誰も決めきれずに混乱して終わる」「みんな思っていることを口に出せずに妥協して終わる」などもよく起こりがちですので気をつけねばなりません。
ではやってみましょう。
まず、決めておくことは「職責や役職、先輩後輩などは全て取っ払って、自由に意見を出し、誰のアイデアかは関係なくアイデア交換しながら課題にむかう」ということだけは、チームの共通認識として持っておいてください。
その上で、チームの人たちの役割をはっきりさせてスタートします。
A アイデアをまとめるディレクター役
B アイデアをどんどん出していくプランナー役
を決めてください。「役」と書いたのは、別にその本業の人でないとアイデアが出せないわけでは無いので、総務の人でも、営業の人でも誰でもプランナー役はできるからです。
1. 「集まってアイデアを持ち寄る」→頭の中だけ、パワポ禁止です。皆に可視化できるように1案1枚の紙に書く、出力して出し合います。その方が時間的にも効率的です。
2. 「その場で選ぼうとしない」→ダメ出ししたり、すぐに結論を急がないようにしてください。みんなが「出し尽くしたな」と思えるように、1回で足りなければ宿題にしてもう一度集まるくらいの気持ちで、アイデアを広げるステップと割り切って。
3. 「気を使わずに選び出す」→参加者に気を使ってアイデアを合体してキメラを作ったり、5案とも採用しますか?なんて言ってみたり、躊躇してしまうこともあるでしょうが、そこはディレクター役の人が自分の判断を信じて選ぶことが大事です。でも本当に良い案がなかったらどうしますか?
「もう一度考えてみるか!」こう言えるのもディレクター役の人の仕事です。コアなアイデアを選び出すとても大事なステップです。
選ぶということは、捨てるということです。意見は十分聞いて、議論して、けれど合議制ではなく、ディレクター役の人が自ら判断するということが、私の経験上ベストだと思います。アイデアを選ぶという段階では。
プランナー役の人の考え方は過去のこの連載コラムにもたくさんのヒントが詰まっていますが、ディレクター役の人のための考え方はあまり書いてこなかったのでそれはまた近いうちに書こうと思います。
今回のように、みんなでアイデアを考えることは楽しいことです。自分だけではたどり着けないようなアイデアや、予想もしていなかったアイデアが出てきた時などは、とても嬉しく盛り上がるものです。選ぶのに困るぐらいのアイデアが集まるように、ぜひやってみてください。
ではまた次回。今回はここまで。

