損得勘定で考えてもいいじゃない あなたのためのアイデア発想31

こんにちは。ホンブチョウです。この連載コラムでは私が今まで学んできたアイデア発想のやり方を毎回ひとつづつ紹介していくことで、あなたに合ったやり方を見つけてもらいたいと考えています。
第三十一回は、
損得発想法
人は何でも損得で考えてしまいがちです。 単純なお金の損得もあれば、「タイパ」なんて言う言葉も、時間の損得感情から来ている言葉でしょう。物質的や経済的なものだけとは限りません。例えば、人から感謝されることや好奇心を満たすといったことなど様々です。
もしくは生き方みたいなものも損得で考える場合があります。例えば「人の評価を気にして生きるのは損」とか、「人の評価など気にせず、自分自身が達成したいことに注力する方が得」などです。
仕事でも、AIができるような仕事はAIに任せてというのは、そんな仕事をするのは自分にとって損だから、自分にしかできないことや、自身の仕事の本質的な部分を優先する方が良い=得、みたいに考えることがありますね。
「報酬」と「リスク」を秤にかけていると言ってもいいでしょう。報酬=得を最大限にして、リスク=損を最低限にするために考えたり、行動したりします。
ただ、ここで言いたいのは、損得勘定で考えることが悪いということではなく、むしろ何が損なのかを明確にした方がアイデア発想視点では良いということです。
ではやってみましょう。
まず、テーマを決めます。
例えば「子供が楽しみながら学べるおもちゃ」についてとか「快適なオフィス環境」についてとか、アイデア出しをしたいテーマをひとつ決めます。
その上で、
1.どんなモノやコトがそれにとって損なのかを書き出す。
2.逆に、どうなればお得か?得になるか?を考え言語化する。
3.損の状況を解決するアイデアを考える
というステップで考えていきます。
例えば、「子供が楽しみながら学べるおもちゃ」なら、
- 損:子供が退屈だと感じるおもちゃ。単調ですぐ飽きてしまう。見た目が地味で興味がそそられず面白くなさそうなおもちゃ。
- 得:子供が夢中になってついついやってしまい、結果学びが深まるおもちゃ。
- 飽きさせないアイデア → AI搭載で遊び方が進化し、難易度や内容が子供に合わせて変化するおもちゃ。
見た目を面白くするアイデア→ カラフルで、触覚や音楽など五感を刺激する素材とデザインを採用する。
というように、損を得に変えていくように発想することで新しいアイデアが生まれます!
もう一例「快適なオフィス環境」についてもやってみましょう。
- 損:騒音がうるさく集中できない環境。腰が痛くなるような椅子。エアコンの効きが悪い。
- 得:静かで集中でき、座り心地のいい椅子があり、寒すぎず暑すぎず、適温管理されたオフィス。
- 静かで集中できるアイデア→ ノイズキャンセリングヘッドホンを標準装備する。
椅子のアイデア→ 個人別にオーダーメイドの椅子を選べる。
適温管理のアイデア→ AIが温度管理するオフィス。
ちなみにこれを書いているのは2025年3月2日。東京マラソンを観ながら書いています。ということで、もう一例、「ランニングシューズ」も書いてみますね。

- 損:重くてタイムが上がらない。足が痛くなるようなソール。通気性が悪く、すぐ壊れる、ダサくて履きたくなくなるようなデザイン。
- 得:その靴で走るだけでスピードが上がる。足が痛くならない。まったく蒸れず、耐久性も高い。デザインが良く履きたくなるようなシューズ
- スピードが上がるアイデア→ 靴の存在を忘れるほどの超軽量設計を追求。
足が痛くないアイデア→ ソールの柔軟性を極め、衝撃を超吸収。
通気と耐久性のアイデア→ 新素材で通気性と強度を共存させ、摩耗部分はアタッチメント式で交換可能にする。
デザインのアイデア→ 走る間に色が変わるステルス迷彩を導入。
このように、最悪に損な状態から反転させることで、新しいアイデアが見えてきます。
しかしマラソンで42.195km走るなんて、損得で見れば達成感や記録といった「得」もある一方で、しんどさや肉体的疲労とか「損」がはるかに大きいようにも思えます。それにもかかわらず、これだけ多くの人が参加して走っているのを見るとホントに人間は予想通りに不合理ですね。
ではまた次回。今回はここまで。
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