思ったとおりにかなえられてく?未来予想図発想法 あなたのためのアイデア発想29

こんにちは。ホンブチョウです。この連載コラムでは私が今まで学んできたアイデア発想のやり方を毎回ひとつづつ紹介していくことで、あなたに合ったやり方を見つけてもらいたいと考えています。
第二十九回は、
未来予想図発想法
昔流行ったセールスの例え話で「エスキモーに冷蔵庫を売るには?」 というのがありました。その手の書籍もよく売れていたような記憶があります。 エスキモーにとっては 極寒の地に住んでいるので、何でも食べ物が凍ってしまう。つまり冷蔵庫の中の方が外の気温よりあたたかく、食べ物の保存には適しているので、
「冷やすのではなく凍らせないための貯蔵庫」として売るとか、「凍らせた肉を美味しく解凍するための保存庫」として売るなど、売り方を変えれば、どんなものでも売れると言う例えです。

こんなふうに、相手にとって、魅力的な「未来予想図」を見せることができれば、そのアイデアに食いつきたくなるのではないでしょうか? それが自分のプラスになるような自分事であればなおのことです。
ではやってみましょう。
1. まずあなたの考えようとしているサービスや商品アイデアの「今」について考えましょう。
例えば私が年末に泊まった温泉宿にもっとお客様が来るようなアイデアを温泉につかりながら考える。としたとき、「今」そのお宿はどんなことに取り組んでいるか?を書き出します。おっと、温泉につかっている設定なので思い描きます。ですね。
・このお宿の「今」は港町すぐ近くの5つのシングルルームがある貸切宿。
・基本は女性限定。ただし家族などで貸切の場合は男性も泊まれる。
・源泉かけ流しのお風呂がある。
・夏場はおそらく海水浴客が来るが、オフシーズンは寂れ気味の街なみ。
2. 次に「目的」について考えます。何のためにそれはあるのか?それを行なっているのか?何がしたいのか?意志や意義、想いなどに着目します。
社会課題の解決など利他的な目的なども考えてみてもいいですね。
先ほどのお宿は、オーナーさんの「旅は人それぞれ色々な楽しみ方があって良い」という考えで、自由に過ごしてもらうことが目的になっていました。
3. そして未来へ拡張して「未来予想図」を描く。
目的を軸に、どんな未来を作りたいのか、どんな状況を実現したいかについてアイディアを膨らませていきます。5年先、10年先、100年先といった長期的な時間軸で考えると、より面白い未来が描けるかもしれません。
この宿の例で言えば、「少し先の未来、その宿に、定期的に来てくれるお客様が増えている未来」を描いてみます。
家族に絡めるなら、リアリティショーのようにそこで5人の男女が一緒に過ごすプランをつくってみるとか。
健康に絡めるなら、干物と過ごす内臓脂肪を落とす1Weekプランとか、禁酒道場プランとか、お清め風呂プランとか。旅のいろいろな楽しみ方を「こちらからご提供する宿」としてアピールするのも良いかもしれません。
5年後の未来で考えれば、いろんな楽しみ方を提供し続けた結果、日本各地にオーナーの情熱、考えに賛同してくれる宿が増え、ネットワークができ、旅の行き来ができている未来。
50年後の未来で考えれば、その宿は旅人の聖地として記念館のようになって、旅フェスも行われるなど街、地域全体が活性化している。その場を立ち上げたこと自体が偉業となっている未来。
4. そして「行動について考え、今の行動に反映する」 ある意味これが1番大事かもしれません。
作りたい未来に向けてどんなアクションを行うのか?何がどうなればその未来は実現されたと言えるのか?そしてそこに向けて目の前の行動を調整し、 描いた未来からバックキャストして、方向性や行動計画に反映する。 旗を掲げて、人を巻き込みながら進めていくようなイメージです。
ただし、最後の4のパートだけは自分だけではできない場合が多いです。関係する個々人のベクトルが合っていないと、その未来は成し得ません。またいつかは次の世代にも引き継いでいくことも考えなくてはいけません。ゆえに3を考えるプロセスや今を調整し進めていく段階での「今と未来が繋がっているというビジョナリー的な考え」が大事なのです。
今回の発想法のように、聞いている相手にとって、「プラスになる未来予想図」であれば、そのアイディアから 何かプラスに働くものが生まれてくるのではないでしょうか?
ではまた次回。今回はここまで。
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