ネーミングって大事 あなたのためのアイデア発想32

こんにちは。ホンブチョウです。この連載コラムでは私が今まで学んできたアイデア発想のやり方を毎回ひとつづつ紹介していくことで、あなたに合ったやり方を見つけてもらいたいと考えています。
第三十二回は、
ネーミング発想法
子供やペットの名前を考える時、当然ものすごく考えます。その子の一生がかかっていると言っても過言ではないので、考え抜きますよね。そして名前というのはその商品の個性をわかりやすくイメージさせるものが多いです。小林製薬の商品などは最たる例で、「トイレその後に」とか、「熱さまシート」、「のどぬ〜るスプレー」などは端的にその商品が何をしてくれるのか、何をするための物なのか、を表しています。
ただそれ故に、その名前に囚われすぎて固定観念を持ち過ぎてしまう側面もあります。例えば「熱さまシート」は熱が出た時におでこに貼る以外にも、気分をスッと切り替えるなどの使い道もあるかも知れません。ネーミングがはっきりしているほど、別の使い道などを思い描きにくくさせてしまう可能性がありますね。そんな考えをアイデア発想に活用できるのです。
ではネーミング発想法をやってみましょう。
1、既存の製品やサービスに、全く新しい名前をつけてみます。例えば「冷蔵庫」なら→「フード・セーフ・キャビン」とか「アイス・クリエイト・ボックス」とか。
2、その名前から新たな役割や機能を連想します。
「キャビン」として考えると、保存だけでなく「旅する食材」や「一時保管ステーションといった概念が生まれます。
「クリエイト」と考えれば、「冷えることを引き起こす」という発想が生まれます。
3、そう考えれば、→「移動型冷蔵庫」→「配達と保冷が一体化したサービス」であるとか、
→「熱くなった頭をクールダウンし、頭をスッキリさせるボックス」とか。
このように名前が引き出す物語や利用シーンを深掘りしていくことで、新しいサービスやアイデアを再発見していきます。
他にも、もう一例考えてみましょう。例えば「リュックサック」ならどうでしょうか?

1、「リュックサック」→「モビリティ・コンパニオン」というのはどうでしょう。
2、コンパニオンですから「収納だけでなく、移動中の快適さをサポートするデバイス」と発想すれば
3、→「荷物の重量を感知して、ユーザーの背中を自動でマッサージする機能付きリュック」であるとか
→「旅行中に移動ルートを案内してくれる内蔵ナビゲーションリュック」なども考えられますね。
このようにネーミングを変えると、これまで見えなかった可能性が浮かび上がります。
でも、固定概念にとらわれていると、なかなか新しいネーミングそのものを考えるのが難しい場合もあります。そんな人のために新しいネーミングを考えるコツも書いておきます。

その対象の本来の役割は何か? どんな価値を提供するのか?
この本質的な部分を表す言葉を選ぶことで、意味のある新しい名前が生まれます。
また、全く関連のないものにたとえてみる。というのもアリです。
例えば、Yシャツだと、「毎朝のスタートライン」と考えると、それに関連した新しい表現が浮かびやすくなります。
組み合わせで考えるという手もあります。簡単な言葉を2−3個つなげる。
例えば、先ほどの「アイス・クリエイト・ボックス」のような感じですね。異なるジャンルからの言葉を借りてきてつなげてみるのも良いです。自然界の現象(タイフーンなど)、歴史上の人物名(織田信長)などをミックスしてみると面白いネーミングができるかも知れません。
あと視点を変えてみるのも良いですね。
ユーザーの視点に立つ=その名前を使う人がどう感じるか?
時間や場所の視点=未来のその商品ははどのように呼ばれるべきか?
機能や特徴に注目=具体的な素材やデザインから着想を得て、名前をつける。
こうしたアプローチを繰り返し試すことで、新しい名前のアイデアがより広がり、斬新なネーミングが生まれる可能性が高まります。別の名前=あだ名ととらえても、良いかも知れません。
ネーミングの力で視点を変えることで、製品やサービスの本質を再発見できたり、新しいアイデアを生み出したりできるかも知れませんね。
ではまた次回。今回はここまで。
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