美工が「ものづくりに強い理由(わけ)」 〜美工カレンダー編〜

社内には営業部門・企画部門・プロダクツ部門という部署が存在し、それぞれの役割を分担しチームとして
企画から量産納品までの良品納品に向けて情報を共有しながら取り組んでいます。
特にプロダクツ部門には多数のスペシャリストたちが在籍しており、その精鋭たちがコストやミスを未然に防ぐ 効率的な設計はもちろんのこと、環境を考慮した素材提案など日々変化する新しい情報をキャッチしクライアントの想いをカタチにしています。
今回は、その「ものづくり集団」プロダクツ部門が中心となって取り組む、カレンダー作りについてレポートしていきたいと思います。
この記事を通じて、私たちの「ものづくり」に対する姿勢をご紹介できればと思います。
美工カレンダー
当社は毎年、ペン立ての機能が付いた 「美エカレンダー」を製作し、ステークホルダーの皆さまにお配りしています。
今年はまず設計チーム全員でアイデア出しを実施。全社員参加の投票を経て選ばれた上位4作品を試作して検証しました。
そして最終的には責任者会議にて採用案が決定し、量産へと進行していきます。
アイデア出し
設計チームのコンセプトは「生み出す」
今年も新たな価値を生み出すべく、ベテランも若手も関係なくチーム全員でアイデア出しに取り掛かりました。
「美エカレンダー」は、製作する上で定められた厳しいルールがあります。
〇カレンダー機能があるコト
〇ペン立て機能があるコト
〇低コスト
〇設計力とその実現性をアピールできるモノ
〇環境に配慮した素材の選定
その決められた条件の中で皆さまに「ワクワク」を届けるために知恵を絞り、それぞれがベストだと思うアイデアで絵を描き起こします。

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全社員参加の投票
次に初めての試みである「全社員参加による投票」のステップに進みます。
営業部門はどんなモノをお客さまに届けたいのかなどの様々な視点から各アイデアを検証するコトで、デザイナーの独りよがりにならない、本当の意味での 「上質なアイデア」を選定していきます。
そして何よりチームの絆を大切にする美エだからこそ、一体感を持ってこのプロジェクトを成功させるという意志を全社員で共有できたという点で、とても実りのある新しい取り組みとなりました。
設計
そして投票にて選ばれた上位4作品が試作へと進むことになりました。
例年であればレベルが高いベテラン勢のアイデアが多くを占めるのですが、今年は若手の奮闘が目立ち、選ばれた若手たちもベテラン勢のサポートを受けながら協力会社との打ち合わせを経て、設計図面の制作に取り掛かりました。

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試作
さあ、選ばれた作品の試作が出揃いました。どれも条件を満たした素晴らしいもので、こちらもワクワクしてきます。
形になったこの瞬間は、誰もがうれしいものです。
4作品を担当した各デザイナーたちが最終決定権を持つ責任者会議に向けて各自の作品に対する想いをシートにまとめ、試作品と共に提出しました。あとは責任者会議での審査結果を待のみです。

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採用アイデアの決定
公平な審査のもと、「2025美エカレンダー」が若手女性デザイナーMの作品に決定しました。
美工のサステナブルヘの取り組みを、日付パーツを動かすコトで毎年使える万年カレンダーで表現したことが
採用への大きな決定打となりました。
サポートしたベテランデザイナーも納得の結果です。
シンプルながらも細部にまでこだわった美しい造形や、スマートフォンも置ける利便性などレベルの高い作品に仕上がりました。
また外装箱のデザインや設計も同デザイナーが担当。こちらもサステナブルを意識し、再生材であるクラフト紙を採用しました。



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量産
試作が終わるとここからは量産です。正確なモノづくりに定評のある美工の生産管理もここから参戦。
今回は若手の女性メンバーNが抜擢され、 「2025美工カレンダー」プロジェクトを推進してくれました。
例年以上にサステナブルな素材選びに拘ったプロジェクトになったので難易度が高い量産になりましたが、
見事にミッションを遂行してくれました。
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今回使用したサステナブル素材
カレンダー本体
〇リアライト®︎(リサイクルアクリル板)
〇カピロンAPETボトルリサイクル黒
〇 HF BIDシリーズ(バイオマスインキ)
〇滑り止めソフトクッション(シリコーン材)
外装箱
〇クラフトビールカードーFS(フードロスペーバー)
〇バイオマス10%ポリ袋
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インタビュー
こからは設計を担当してくれた若手M(プロダクトデザイン部)と、生産管理を担当してくれた若手N(生産管理部)のインタビューを掲載させていただきます。
またサポートに当たってくれたベテランデザイナーからのメッセージも合わせてお届けします。
Ql:今回のカレンダーでこだわったポイントはどこですか?
(若手M)
今回のカレンダーでは、長く使用できる万年カレンダーを採用しました。
また、従来のカレンダーのデザインにありがちなボックス感を減らし、すっきりとしたデザインに仕上げました。
(若手N)
ペンを挿した際に傷がつかないようペンがあたる箇所の面取り、はびき加工などに細心の注意を払いました。
Q2:制作する過程で大変だったことはありましたか?
(若手M)
ペンやスマートフォンを置いた際の安定性を考慮した設計や、カレンダ一部分がスムーズにスライドしつつも外れにくい仕様の検討に時間を要しました。
(若手N)
「サステナブル」がテーマのため、滑り止めクッションひとつに於いても素材の選定や数量の確保など、限られた時間の中でスケジュールを調整する作業がとても大変でした。製作現場や上司、先輩を巻き込んでいろんな方々にご協力いただきなんとか納期に間に合わせることができました。
Q3:制作する過程で学びになったことはありましたか?
(若手M)
紙だけでなく、アクリルなど他の素材の図面の描き方を学ぶことができました。
(若手N)
樹脂パーツの生産管理をすること自体初めての経験だったため、分からないことも多かったですが、良い機会になりました。
Q4:実際に出来上がったものを見た時の率直な感想を教えてください
(若手M)
初めての量産を前提とした仕事で、自分の描いた図面から実際に製品が出来上がった時は感動しました。
ものづくりの醍醐味を味わうことができたように思います。
(若手N)
納期がタイトな中、完成品を見てホッとしました。
Q5:その他、このプロジェクトで感じたことを自由にお聞かせください
(若手M)
製品が生産される過程を間近で見ることができ、新鮮な経験でした。
また、全ての素材にサステナブル素材が使用されており、素材選びの段階から環境への配慮が徹底されている点には感銘を受けました。
(若手N)
年末年始で皆さん忙しい中、メンバー然り、周りの方にも支えていただき完成することができよかったです。
ここで学んだことを次のお仕事につなげられるようかんばります。
ベテランデザイナーからのメッセージ
これまでの流れにはない新しい発想を若手のデザイナーが提案してくれたコトは素直に嬉しかった。
設計に関しては日付のパーツをスムーズに移動させるとともに抜けにくい構造にしなければならなかったので、
特にその部分にフォーカスしたフォローを行ったが、若手デザイナーとともに美観を損ねずに課題をクリアできる設計を実現できたコトは
お互いにいい経験になったのではと感じている。
また会社として新たなチャレンジになるこのプランを、上層部が選んでくれことも良かったと思う。
最後に
完成まで幾度となく修正を繰り返し、メンバーも通常業務と併走しながらの作業となりました。その分想いの詰まった作品が出来上がり、
それを皆さまにお届けできるのはうれしい限りです。
私たちは、こういった取り組みを日々繰り返しながら「モノづくり美工」の土台を築きあげてきました。
60年以上培った専門知識と高い技術力をベースに、これからも新たな価値を提供し続けていきます。

