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6つの観点どこから見るか? あなたのためのアイデア発想13

2023.09.15

6つの観点どこから見るか? あなたのためのアイデア発想13

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こんにちは。ホンブチョウです。この連載コラムでは私が今まで学んできたアイデア発想のやり方を毎回ひとつづつ紹介していくことで、あなたに合ったやり方を見つけてもらいたいと考えています。

 

第十三回は

6観点リスト

人間が、発想する時の観点を、6つ程度に大分類した「観点リスト」があります。

これを使うと、発想の観点全方向を回してみて発想することができます。何から考えていいか見当がつかない時や、観点を大きく変えたい時などに、この6観点リストは活躍してくれます。

では、その6つとは何かを見ていきましょう。

  1. 「人」:主体、客体、単数、複数、立場、能力、市場、仕入先
  2. 「物」:製品、素材、ツール、機能、人以外の生き物
  3. 「プロセス」:人とモノの動き、情報の流れ、行動・動作、役割、相互作用
  4. 「環境」:取り巻く環境、場・空間、状況、風土、時間、コミュニティ
  5. 「意味・価値」:知識、情報、思考、価値観、ビジョン、強み
  6. 「五感」:色・形、音、におい、味、質感、触感、食感

さて、この「観点」つまり、ものの見方や考え方をどう使うのか?

あなたはお菓子会社の新規開発チームに配属されたところだとして、今あるヒット商品である焼き菓子「カカオっち」のブランドファミリーを広げる施策アイデアを考えていきましょう。

まず、いきなり「カカオっち」とは?などと取りかからないでください。「カカオっち」に新たに注入する要素をバンバンと切り出していくために、6観点リストを使っていきます。

紙の左端に、「カカオっち」や「焼き菓子」とは全く関係のない、あなたが大好きな製品やサービスの名前を書いてみてください。

ほくさんの餃子でも良いですし、お好み焼きでもいいですし、エアークローゼットでも構いません。

その上で、その商品やサービスが、「人」という観点で「その良さの秘密は何か?」を探してみましょう。例えば「ほくさんの餃子=カウンターで餃ビー、親子連れも多い」とか。「エアークローゼット=私に似合う服やコーデを勝手に選んでくれるので楽」とか。

「五感」という観点で「その良さの秘密は何か?」を考えると、例えば「お好み焼き=ジュージュー、ふんわりした食べ応え、ソースの焦げた香り」などが思い浮かびますね。

そんなふうに6つの観点で良さを書き出していきます。あくまで自分自身が思い浮かんだものを書き出していけば良いので、

そこであまり悩んだり、検索したりしないでください。自分の頭の中で連想されることに正解や不正解はありませんので。

さて6つの観点でその良さを書き出せましたか?次にそれを「カカオっち」と、掛け合わせてみます。

仮にお好み焼きベースで考えてみると

  • 「人」=「みんなでワイワイ×カカオっち」=カカオっちパーティ仕様
  • 「物」=「まん丸×カカオっち」=満月型カカオっち(中に何か詰めちゃう?)
  • 「プロセス」=「大きいのも焼ければ小さいのも焼ける×カカオっち」=大型カカオっち入りの当たり付きパッケージ
  • 「環境」=「焼けるまでじっと我慢×カカオっち」=食べられるまで待たないといけないカカオっち
  • 「意味・価値」=「大阪のソウルフード×カカオっち」=47都道府県仕様カカオっち
  • 「五感」=「ソースの焦げた香り×カカオっち」=ソースをつけて食べるカカオっち

こんな感じで、どんどん書き出せると思います。むしろこんな程度で良いのです。考え方とすれば、第4回でご紹介した「思考整理のための5W1H法」に近い感じかと思います。

また6観点リストは、ブレインストーミングなどでみんなでアイデアを出し合うようなときにも役立ちます。

皆、議論の時は熱くなって自分の考えを述べるものですが、皆の意見をホワイトボードに書き出して俯瞰してみたときに、ん?「五感」に対してのアプローチが足りないんじゃないか?とか、「意味・価値」に立ち返って議論を深めてみませんか?などの気づきが得られたりします。

何もないところからアイデアが降ってくることも無きにしもあらずですが、6つの観点で見直してみたときに自分自身に刺激が与えられ思わぬところから出てくる場合の方が確実に短時間でアイデアは広がります。

複数人でアイデア会議などをするときは、事前に6観点リストで各自考えて来てもらって集まると、もうその時点でたくさんのアイデアが集まり、互いに刺激し合ってより良いアイデアに発展していくこともあるかと思います。是非試してみてください。

では、今回はここまで。また次回。

 

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