動詞がもたらす目から鱗 あなたのためのアイデア発想25
こんにちは。ホンブチョウです。この連載コラムでは私が今まで学んできたアイデア発想のやり方を毎回ひとつづつ紹介していくことで、あなたに合ったやり方を見つけてもらいたいと考えています。
第二十五回は、
「動詞」でイメージ発想法
今回のポイントは「動詞」です。特定の動詞を出発点にしてアイデアを展開していく方法となります。一般的に、私たちはアイデアを考えるとき、名詞や形容詞を使いがちですが、動詞を使うことで新しい視点やアプローチが生まれる可能性が高まります。
まずやることは、シンプルです。
思いつく限り、たくさんの「動詞」を書き出してください。
まずは自力でもいいですし、辞書を使っても構いませんし、チャットGPTくんに頼んでもいいですがそれほどのことでもないのは以下を読んでいただくとわかります。まずは50個程度で十分です。単語カードや小さいメモにひとつずつ動詞を書いておくと、ひとつずつ考えていきやすいですし、一覧表にしておけば俯瞰して考えやすくなります。
例えば、こんな感じです。
身近なことで言えば「食べる」「飲む」「着る」「脱ぐ」「見る」「嗅ぐ」などがすぐに思い浮かびます。喜怒哀楽、「喜ぶ」「怒る」「哀しむ」「楽しむ」などもそうですし、「学ぶ」「鍛える」「話す」「読む」「走る」「歩く」「思い出す」「拡げる」などもいいですね。
一人でやってもいいですし、複数人で出し合うともっと簡単に「動詞」が集まると思います。
食べる | 飲む | 着る | 脱ぐ | 見る | 観る | 嗅ぐ |
喜ぶ | 怒る | 哀しむ | 楽しむ | 学ぶ | 鍛える | 話す |
走る | 歩く | 思い出す | 拡げる | 呼ぶ | 伝える | 集める |
捨てる | 笑う | 飼う | 投げる | 悩む | 捨てる | 売る |
例えばこのような感じで集まりましたか?では、思考を拡げていきましょう。動詞は行動を表す言葉であり、具体的なアクションを連想させます。拡げたいテーマと動詞を組み合わせてアイデアの切り口を見つけていきます。
例えば、あなたがやりたいテーマが「花火大会の運営」だった場合。
あなたがやりたいテーマが「ヘッドハンティング」だった場合。
「営業研修」だった場合。「お菓子の新製品開発」だった場合。どんなテーマでも拡げていく事ができます。
書き出した動詞を使って、実際にどのようなアクションが考えられるか?ときには、最初は関連がないように思える動詞からも、面白いアイデアが生まれることがあります。
「ヘッドハンティング×動詞」の例を示してみると
(集める:基本マンツーマンで商談するが、目的を隠したマッチングイベントに集める)
(捨てる:転職は捨てるものが多く躊躇する人が多いが、その心理をレクチャーする方が新しい一歩を踏み出すためには効くのではないか)
(笑う:ターゲットの写真を生成AIで笑顔に加工し、バリエーションをつくり、1年後のあなたの表情ですと提示してみる)
(走る:運動時は無心になれる。オフィスでの面談を、ランニング中の面談に変えてみれば成功率は上がるか?)
いかがでしょう?もうひとつやってみましょう。
「お菓子の新製品開発×動詞」
(飼う:ペット一緒に食べられるおやつセット)
(学ぶ:食べるほど英語が身につくお菓子。個装パッケとアプリ連動)
(泣く:泣くほど甘いお菓子と、泣くほど酸っぱいお菓子のセット。一緒に食べると泣くほど美味しい)
(投げる:放り投げて口でキャッチする専用のお菓子)
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「営業研修×動詞」
(観る:舞台の観客のようにリアルな場面で体感する研修)
(悩む:一人づつ悩みを独白し、皆で解決策を探る形式)
(思い出す:自社であれ他社であれ、あの人は凄かったという伝説の営業について、何が凄くて、何を活用できるのかを考える)
(捨てる:今の実務の中で、自分がしなくてもいいような仕事を上げ、代替えアイデアを皆で考えることで、自分がすべき、自分にしかできない仕事をあぶり出す)
(売る:自社で成功した研修をパッケージ化して販売できないか?)
このように、動詞と絡めて発想することは、ただ課題に対処するだけでなく、新たなビジネスチャンスや目から鱗をもたらす手法としても有効です。
動詞を起点にすることで新しい視点や行動を引き出し、革新的なアイデアを生み出せるかもしれません。名詞や形容詞的に考えるだけでは見つけにくい解決策を見つけるために、ぜひ試してみてください。ゲーム的な感覚で動詞がもたらすアイデアが、あなたの発想をもっと豊かにしてくれることでしょう。
では、今回はここまで。また次回。
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