欠点と改善は表裏一体 あなたのためのアイデア発想23
こんにちは。ホンブチョウです。この連載コラムでは私が今まで学んできたアイデア発想のやり方を毎回ひとつづつ紹介していくことで、あなたに合ったやり方を見つけてもらいたいと考えています。
第二十三回は、
欠点列挙発想法
今回はその名の通り、今ある商品やサービスについて、欠点を列挙していくことで問題点を出し、その問題点を軸にアイデアを発想していく、発想フレームワークです。
簡単に言えば、現状の製品やサービス、プロセス等に関する不満点、課題点を解決するというスタンスで新しいアイデアを生み出すというアプローチです。
なので、既存のビジネスや商品、サービスなどを対象とした改良、改善に関するアイデア検討にピッタリな発想法と言えます。
では、やってみましょう。
1. テーマ出し
まず、改善したい対象(製品、サービス、プロセスなど)を選びます。既存のものであれば何でも構いません。新しいアイデアが必要な場面であれば、そのテーマに関連するものは何でもテーマになります。
2. 欠点の列挙
次に、その対象の欠点をできるだけ多くリストアップします。ここでは、ユーザーの視点から見た欠点や、不満点、改善の余地があるポイントを挙げることが重要です。できるだけ具体的に、また多面的に考えることで、多くの欠点を見つけることができます。
3. 改善アイデア出し
列挙した欠点を分析し、それぞれの欠点に対して、どのように改善できるかを考えます。この段階では、自由にアイデアを出すことが重要で、どんな小さな改善でも、新しい価値を生み出す可能性があると考えてください。一つの欠点に対して改善アイデアの方法が複数ある場合もありますので、答えはひとつじゃないと考えることも大切です。
書き出したイメージはこのようになります。
この発想法のポイントは「欠点=悪」ではなく、ネガティブな意見や要素を些細なことでも出し尽くすことで、より良いポジティブな改善アイデアを出せる、そのためのアイデアの種を見つけるんだという思考で考えることです。
それがなんであれネガティブな要素を考えることは、揚げ足を取るようで嫌だとか、気分が下がるというふうに感じる人が多いかもしれません。(欠点をあげつらう事が大好きな人もいるでしょうが)
しかし、それがより良くするためのアイデアの種だと考えれば欠点も出しやすくなると思います。
また一度、改善策が成功したとしても、それが新しいアイデアとして定着していけば時とともにまた改善ポイント=欠点が出てくるものです。つまり欠点を見つけ、改善を繰り返すということは、ずっと続くと考えて定期的に同じテーマでやってみることも大切ですね。
この発想法の良いところは、欠点を具体的に列挙することで、実際にどこを改善すべきかが明確になるので、おのずと漠然としたアイデアではなく、具体的なアクションプランを立てることができます。また、ユーザーや関連する人が実際に感じる不満や問題点を改善することで、満足度を高める可能性がありますね。
欠点を見つけるためには、批判的思考やネガティブな面にしっかり目を向ける力が必要です。普段から物事を批判的に捉える習慣をつければ、欠点を見つける力が養われますが、批判的なことばかり考えていては心理的にも辛くなってくるので、先ほども書いたように欠点をポジティブに捉え、「改善することで新しい価値を生み出す」という姿勢が重要です。
そしてアイデアを広げるときはポジティブな視点で考える必要があります。
つまり「両方の視点を使いこなす」ように習慣づける。
そのようにしていけば、欠点列挙発想法により深みが出てくると考えています。テーマ自体はなんでもできるので、例えば「自分自身」でやってみるなども可能です。ぜひ、いろいろ試してみてください。
では、今回はここまで。また次回。