あなたの言葉は難しすぎる? あなたのためのアイデア発想21
こんにちは。ホンブチョウです。この連載コラムでは私が今まで学んできたアイデア発想のやり方を毎回ひとつづつ紹介していくことで、あなたに合ったやり方を見つけてもらいたいと考えています。
第二十一回は、
子供に説明発想法
先日大学院時代の友人と話をしていた中で、「安易な言葉を、安易に使いすぎると本当に伝えたい意図が伝わらない」というような話をしていました。変なふうに取られるといけないのですが、例えばインクルーシブとか、コアコンピタンスとか、よくビジネスで出てきますが、流行り言葉だからと安易に使ってしまったり、回りくどい表現をすると、自分が本当に伝えたい内容から誤認識されたり、誤解されて伝わってしまったりというような事があるという意味です。
自分のアイデアがなんだかわかりにくいと感じる場合がありませんか?そんな時に、有効な方法に「4歳児に話すように話してください」というのがあります。
プレゼンの方法が悪いのか、難しい言葉で過剰包装されて不明瞭なのかを見分ける方法です。小さい子供に説明すると思って説明し直してみるのです。
では、やってみましょう。
「ザクとうふ」で有名な相模屋食料グループのヒット商品に「おだしがしみたきざみあげ・鰹だしの甘辛仕立て」というヒット商品があります。
「カップうどんのお揚げ」を作っていたところ、メーカーが内製化することになり、外注の需要がなくなり困っていた時に、最初からカットして袋にチャックもつけて、包丁も使わずすぐに料理に入れられ、常温で保存もできることもあり大ヒット商品に変身させたという大逆転商品です。
これを4歳の子供に説明するとなるとどうなるでしょう?
「お湯に入れるとふくらんで、そのまま食べられるお揚げさん。」でしょうか。
それとも「みんなおうどんは好きかなーっ?お揚げさんは好きーっ?これがあるといろんなお料理にお揚げさんを好きなだけ入れられるんだよー!」でしょうか。なんだか脳が柔らかくなる感じがしませんか?
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もう一つ考えてみましょう。私が以前考えた事業アイデアに「ファミリーズ」というものがありました。
血縁に関係なく、価値観の近い複数の家族が、新しい家族のあり方を共に創っていけるようにサポートする仕組みづくりで、「複数の家族なら可能なこと」のあらゆるサポートを一元管理しご提供。共同管理アプリを基本に運用。セキュリティのための家族認定機能などもある。
◆コミュニティ的な家族むけの共同管理事業。
◆お金の管理も含め情報管理を安全に運用。
◆支え合うことで孤立孤独を解消する仕組みを構築。
考えた私は理解できますが、小難しい言葉で説明されても今ひとつピンと来ないんじゃないでしょうか?
では、これを4歳の子供に説明するとなるとどうなるでしょう?「いろんなお母さんやお父さんやお友達と一緒に住めるんだよー!」でしょうか。
けれど、「王様は裸だよ!」と言ってしまうように、子供はごまかしを見破り、残酷なほど単刀直入に真実に向かいます。さっきの説明をしたとしたら、子供はなんと答えるでしょうか?
「そんなのヤダ」でしょうか。「○○くんのママも一緒ならいいよ」でしょうか。
思いついた時は、近未来のいろんな形の家族が助かるいいアイデアなのではと思っていたことが、途端に陳腐な大人のエゴのような考えに見えてきてします。アンコンシャスなバイアスすら感じられるような。
自分のアイデアをより確実なものにしたいとすれば、一度子供にもわかるように翻訳し直してみて、それに対して子供はどういう反応をするかを考えてみたり、聞いたりすることをお勧めします。
やはり過剰包装された言葉は届きにくいですし、聞いてる人も大人だと、脳内で変換して理解しようとしてくれますが、それも聞く耳を持ってくれていればこそです。
世の中にはいろいろな専門用語があります。また次々に出てくる新しい言葉もあります。それらを不注意に多用するあまり、何を言いたいのかきちんと説明できなかったりしたとすれば、それはアイデアが弱い証拠だと言えるのかも知れませんね。
これはアイデアの中心にあるものを引っ張り出したり、肝になる部分を考え直してみたりするのには効果的です。また、アイデアをさらに広げるために、「子供が質問しそうなこと」を考えてみるのも良いと思います。
では、今回はここまで。また次回。