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テトラッドって知ってる? あなたのためのアイデア発想19

2024.03.15

テトラッドって知ってる? あなたのためのアイデア発想19

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こんにちは。ホンブチョウです。この連載コラムでは私が今まで学んできたアイデア発想のやり方を毎回ひとつづつ紹介していくことで、あなたに合ったやり方を見つけてもらいたいと考えています。

 

第十九回は、

マクルーハンさん発想法

その昔、1960年代にマーシャル・マクルーハンという方がいました。彼は日本では社会学者と呼ばれたり、哲学者、メディア研究者など色々な捉え方をされています。また「メディアはメッセージである」「グローバル・ヴィレッジ」「人間の拡張」など多くの言葉を残し、著作も多くあるので、気になる方は調べてみてください。

彼の複雑な考え方や、研究、推察、視点、解釈、彼のいう「メディア」の定義などは各書籍や文献に任せるとして、ここでは彼が説いた4要素(Tetrad of media effect)=テトラッドを用いて、アイデアを見直したり、検証しながら広げていくやり方を見ていきましょう。

その4つの要素とは、「強化 Enhances」「衰退 Obsolesces」「回復 Retrieves」「反転 Reverses」の4つです。

これを質問形式で書き出すと、

  1. それは何を強化し、強調するのか?

  2. それは何を廃れさせ、何にとって変わるのか?

  3. それは廃れてしまった何を回復させるのか?

  4. それが進められて行った時、何を生み出し何に転じるのか?

 

まずは、やってみましょう。

あなたはSNSとラジオを組み合わせたような新しいサービスを開発したとしましょう。
それを「強化」視点で考えてみると、このサービスで、人の声が世界中に届くようになるかもしれませんし、音声でのコミュニケーションを強化する、人と人との繋がりを広げてくれるなどのポジティブな強化をしてくれるかも知れません。
では「衰退」視点ではどうでしょう?対面でのコミュニケーションを廃れさせるかも知れませんし、リアルでの電話でのやりとりや、新聞、雑誌などの投稿欄なんかよりそのコミュニティに属している感覚は優れたものになるでしょう。
「回復」視点だと、声によるカリスマが生まれたり、そこに属しているという集団意識、仲間意識を生み出し、メンバーとしての安心感を与えてあげることも不可能ではないかも知れません。
最後に「反転」視点では、このサービスが広まるにつれ、依存しすぎてコミュニケーション障害を引き起こしたり、家に引きこもってしまう人や、音声だけでは物足りず映像への揺り戻しを引き起こすかも知れません。

これを図にすると、こんな感じです。

このように、この手法は「別の視点で現実に起こりうることを可視化する」のに役立ちます。テトラッドを使って考えてみることで、いつもとは違う頭の使い方ができ、見落としてしまっていたようなものが見えてくるのです。そうすることで、自身のアイデアの長所や欠点、注意すべきことや強化策などを検討できるのです。

ひとつの出来事も、角度を変えて見てみれば全く別のイメージに変わったりすることがあるように、そのひとつのサービスやアイデアもこの質問に則って再検証していくことで、新たな視点を得られると思います。これは第十一回「縦の糸と横の糸 水平思考発想法」でご紹介した「ずらす」ことに近いかもしれませんが、ずらし方が真横ではなく斜めなのかもしれません。

https://www.biko.co.jp/tsusin/tsusin-2276/

この時考えた「電子レンジ調理器とカット済み素材のサブスク商品」をテトラッドに当てはめてみると、このようになりました。
良いと思ったアイデアも、テトラッドを使って別の角度から見ると、近視眼的になりがちなところを、俯瞰してみられるようになり、それまで見えていなかったことが見えてきて未来への問題解決につながるような発見をすることができ、発想が広がっていくことでしょう。

ぜひ今お持ちのアイデアをテトラッドを使って深掘りしてみてください。

では、今回はここまで。また次回。

 

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