縦の糸と横の糸 あなたのためのアイデア発想11
こんにちは。ホンブチョウです。この連載コラムでは私が今まで学んできたアイデア発想のやり方を毎回ひとつづつ紹介していくことで、あなたに合ったやり方を見つけてもらいたいと考えています。
第十一回は
水平思考発想法
今回は水平思考をベースに柔軟に発想を広げていきましょう。
その前にひとつクイズです。思考法で一番初めに思い浮かべるものといえばなんでしょう?
答えは、いわゆるロジカルシンキング=論理的な思考ですね。 結論と根拠のつながりを明らかにし、合理的に考えるための思考法といえます。「〇〇だから△△」のようにつなげていく考え方です。
例えば、「既存事業から撤退するべきかどうか?」と言う論点があるとして、「競合との差別化ができていない」→「結果価格競争に飲み込まれてしまっており利益が取れない」→「撤退すべき」。というように、結論と根拠が明確で、適切に結びついているということが大事になってきます。論点に対して結論を導くために、必要な情報を集め、何が言えるかを考え、結論に至るいくつかの道筋を整理していく。人に伝えたりする時や、思考が迷子になっている時に頭を整理するために有効な思考法です。
それに比べて、水平思考は論理から逸脱することが大事なので、新たなアイデアの切り口を考えるような時や、論理的な正しさに縛られず柔軟に思考を広げたい時などに有効な考え方です。
とりあえずやってみましょう。
あなたはメーカーの製品担当者。新しい電子レンジ調理器を考えるというミッションを与えられた新人社員です。まずは論理的に考えていきましょう。
一般的なセオリーを言語化していきます。
その中でロジカルに考えていくほど分岐は増えていくものですが、ここではわかりやすいように、一本の線のように考えてみましょう。
一般的な電子レンジ調理器といえば、耐熱プラスチックやシリコンで出来ており、フタのあるケース状になっています。そして調理の手順とすれば、メニューブックなどが同梱されていたり、WebサイトやSNSなどからメニューを探し、作る料理を決めます。そして食材を切って調味料を調節して、次に、、、と言うように、論理的に考えていきます。それを図にしてみるとこのようになります。
さてここからが本番です。それぞれの項目から思考を水平にずらせてアイデアを広げていきます。
水平にずらす場合には
「前提を崩す」「当たり前を無視する」「正しいか正しくないかはおいておく」
ことを意識することで、新しい発想の入り口が見えてくる場合があります。
ここでは例えば、そもそも耐久性を考えて耐熱プラスチックやシリコンで出来ているけれど、一回使えれば十分で使い捨てでも良いんじゃないか?と水平にずらしてみる。
また、食材の量や調味料を自分で調節しなくても良いとしたら?とずらしてみるとか。その上で
それを実現するためにはどんな手があるか?
を考えていきます。一般的な考えから、水平にずらすことでセオリー的には考えられないようなアイデアが必要になってくるのです。そして実現するための手段はひとつだけではないので、アイデアの幅も広がっていきます。図にすればこのような感じです。
実現の手段はひとつだけではない
ことの例とすれば、「自分で調節しなくてもできる」について上図にはサブスク商品というひとつの手段だけ書いていますが、他にも「マイ電子レンジ調理器を持ってくれば、サラダバーのように詰めて買って帰れる仕組みをお弁当屋さんと組んで」などもあり得るかもしれませんね。
このように論理的思考と水平思考はアイデア発想においては両方使うことが必要ですし、まずはベースとなる論理的思考が成り立っていないと水平にも展開できません。また、せっかく水平思考で見つけたアイデアも、ミッションを与えられた新人社員が周りに説明するにはロジカルシンキングが必要です。
何事も基礎が大事だということでしょうか。
では、今回はここまで。また次回。