共通点を見つかられるかな? あなたのためのアイデア発想18

こんにちは。ホンブチョウです。この連載コラムでは私が今まで学んできたアイデア発想のやり方を毎回ひとつづつ紹介していくことで、あなたに合ったやり方を見つけてもらいたいと考えています。
第十八回は、
共通点発想法
今回は、起こっている複数の事柄からある一定の方向性を見つけていく発想法です。思考法的に言えば、帰納的思考と呼ばれたり、 ピラミッドストラクチャーと呼ばれたりする考え方を「逆手に使う」ような発想法です。
まずは、世の中で起こっているさまざまな「事象」を観察し書き出していきます。
これは案外簡単に集まると思います。新聞を見ながら切り抜いてみてもいいでしょうし、雑誌をパラパラとめくってみてもいいでしょう。例えば今新聞を開いてみると、「駅のない街に多くの人が住んでいる」と言う記事が出ています。また別のページでは「少糖多果」つまり「炭水化物ダイエットが流行している」の記事が出ています。さらに「60歳以上を対象にしたスマホ向けサービスが増えている」ともあります。
これらをひとつずつ書き出すと「地方の変化」「食事の変化」「高齢者のお金の使い方の変化」を表している「事象」とも言えるでしょう。3つとも世の中が変わっていっている「サービスは時代の変化に対応していかざるをえない」ことを表しているとも言えます。
それらに対応できればチャンスがあるかも知れませんし、対応できないことは致命的かも知れません。だからこそ記事化されているのでしょう。これを図にするとこうなります。(図1)

では別の雑誌を開いて「事象」を探してみましょう。「豪華客船の船旅で非日常に没入」「お取り寄せグルメのコンシェルジュが人気」「チョコレートの食べ方アレンジいろいろ」などが出てきました。
この3つから推測されることは「今こそ、驚きや楽しい時間が求められている」でしょうか。(図2)

さて、それぞれの根拠となる事象から2つの結論が導き出されました。
今度はその2つから導き出される「一般化した結論」を考えてみると、「時代の変化に対応しながら驚きや、刺激を与えられる商品やサービスが必要である」みたいになるかなと思います。(図3)

最後にその結論を元に、色々なアイデアを「ゆえに」で繋ぎながら、広げていきます。
その時に、参考になるのは初めにさまざまな「事象」を観察し書き出した事柄です。整理した上で、今一度それらをみていくと、不思議とアイデアが浮かんだりします。
例えば、豪華旅行の反対でも非日常は味わえる、貧乏バックパック旅行もいいね。でも時代の変化を考えると、沢木耕太郎の深夜特急のようなのは危険だから求められないよな。ならば隠れて安全を見守ってくれるけど、口出しもしない、存在も気づかれないようなガイドがついてきてくれるのはどうかな。「はじめてのおつかい」でカメラマンが見守っているような感じで。みたいに広がっていきやすくなります。(図4)
それも「驚きや刺激だけではダメで、時代の変化にも対応しなければいけない」と言う「前提」がはっきりしているので、ブレにくく、考えやすくなるのです。
この発想法は、事象の中からどのように共通点を見いだすか、そしてそこからどのように結論を導き出すかと言うところに難しさはありますが、想像力が必要な分、その人の発想の幅に富んだ発想法と言えるかもしれません。
ちなみに、3つ、4つと結論を合体させても構いませんが、複雑になっていきがちですので、まずは2つの結論を導き出すところから始めることをお勧めします。
では、今回はここまで。また次回。

