もしも羽生くんが考えたなら? あなたのためのアイデア発想9

こんにちは。ホンブチョウです。この連載コラムでは私が今まで学んできたアイデア発想のやり方を毎回ひとつづつ紹介していくことで、あなたに合ったやり方を見つけてもらいたいと考えています。
第九回は
IF~もしも思考発想法
今回のIF~もしも思考発想法は、「もしも○○だったとしたら」という仮の状況や、仮の条件を想定することによって、発想の幅を広げる発想法です。既存の枠組みに中では得られないような新しい着想を獲得できます。ただ、やみくもに「もしも○○だったとしたら」を想定してみろと言われてもなかなか難しいですので、代表的な切り口を書いておきましょう。
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制約のもしも 既存の制約やルールを無くしてしまう、または変更してみる。
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人物のもしも 別の人の視点に立って考えてみる。歴史上の著名人や、上司や部下、家族や仲間など。
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状況のもしも 自分が社長だったら、自社の従業員が5人しかいなかったら、など特定の状況を仮定して考える。
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時間のもしも 今だけでなく、10年後だとしたら、明治時代だったらなど、未来や過去の視点で考えてみる。
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地理のもしも ここがアメリカだったら、東京でなく山形の山奥だったらなど、別の地域や、異なる広さの中で考える。
このように、もしもを考えるにしても、切り口を知っておくと考えやすくなりますね。
では実際に発想の幅を広げてみましょう。まずはベースとなるテーマを決めます。「新しいグルメサイトをつくりたい」「自分のYouTubeチャンネルのネタを探したい」「会社の定番商品の売り方を見直したい」など、なんでも結構です。そしてそのテーマについて、まずは自分なりに考えてみてください。「IF~もしも」を使うのはそのあとです。
では、その上で「IF~もしも」を書き出してみます。
例えば「新しいダイエット方法を考える」というテーマに対して、「羽生結弦さんが考えるなら?」という、もしもを設定したとしましょう。
そして次に羽生結弦さんであればどう考えるだろうかと考えて、ポイントを書き出します。例えば「極端にストイックに考えるはずだ」「哲学的なアプローチをしそうだ」などですね。
その上でその先にあるアイデアを考えていきます。例えば「食習慣や運動だけでなく、生きかたそのものを変えなければならないダイエット」などが浮かびますね。
まとめると下記の表のようになります。
テーマ | IF〜もしもの設定 | ポイント | アイデア |
新しいダイエット方法を考える | 羽生結弦さんが考えるなら? | 極端にストイックに考えるはずだ
哲学的なアプローチをしそうだ |
食習慣や運動だけでなく、生きかたそのものを変えなければならないダイエット |
他にも「IF~もしも」の設定を変えて考えてみると
テーマ | IF〜もしもの設定 | ポイント | アイデア |
新しいダイエット方法を考える | 石器時代ならどう考えるか? | そもそも生きるのに必死で食べられるものも限られるはずだ | 肉やナッツ、実などを主食とするダイエット |
テーマ | IF〜もしもの設定 | ポイント | アイデア |
新しいダイエット方法を考える | 一回100円で実施する必要があるなら? | やり方を分解して細分化しないと安くできないのでは | WEB連動で毎週100円で記事が届くダイエット |
このように「IF~もしも」を設定するだけで、既存の思考の枠組みから外れた発想をしやすくなるのです。その時に少し極端かな?と思えるような状態を仮定してみるのも固まった思考を解きほぐすには大事です。例えば普通なら「5年後なら」くらいで考えそうですが、極端に「100年後なら」と考えたり、「10人くらいなら」ではなく「10万人なら」と規模を極端に広げてみるようなことです。
いつも通りに考えているだけでは、「前提」を変えるのは難しいですが、さまざまな「もしもの条件」を設定するという視点を組み込んでしまうことで、常識的な「正解がなくてはならない」という前提がなくなり、発想の幅が広がっていきます。
固まった思考をほぐして、脳に新たな神経回路を生んでいくための練習とでも考えて、日常的に「もしもの条件」を問いかけていくように意識して練習していきましょう。
では、今回はここまで。また次回。

