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行動をコマ送り分解すると見えてくる? あなたのためのアイデア発想49

2026.09.15

行動をコマ送り分解すると見えてくる? あなたのためのアイデア発想49

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こんにちは。ホンブチョウです。この連載コラムでは私が今まで学んできたアイデア発想のやり方を毎回ひとつづつ紹介していくことで、あなたに合ったやり方を見つけてもらいたいと考えています。

 

第四十九回は、

コマ送りアクション分解発想法

あなたは今日オフィスに着くまでに、何回「無意識の行動」をしたか覚えていますか? 改札を通る、カバンを置く……。私たちは日々、驚くほど多くの行動を「無意識」のうちに処理しています。

実は、この無意識の行動の中にこそ、誰も気づいていない画期的なアイデアの種が眠っているのです。今回は、日常の何気ない動作をあえて超スローで細分化し、新しいアイデアを絞り出す「コマ送りアクション分解発想法」を紹介します。

なぜ無意識を「コマ送り」にするのか?

私たちは日常、ちょっとした不便や摩擦があってもすぐに慣れて、無意識にやり過ごしてしまいます。例えば、雨の日に濡れた傘をたたんで電車に乗るとき。「濡れた傘が冷たいな」と感じつつも、「まあ、仕方がない」と無意識に諦めていますよね。 この、意識の表面に上がらないような「微細なストレス」を捕まえるために、行動を映画のように1コマずつ分解して観察する。それが、この発想法の目的です。

 

では、やってみましょう。

やり方はシンプルで、頭のストレッチにも最適です。

  1. テーマ(日常のワンアクション)を決める

改善したい動作を1つ選びます。「コンビニで缶コーヒーを買う」といった、5秒〜30秒程度の短い行動が適しています。

 

  1. 行動を5〜10個の「コマ」に細分化する

その行動を、まるでスローモーションを見るように、細かく分解します。

 

  1. 各コマにおける「心の声や摩擦」を書き出す

1コマずつ、主人公が「どんな姿勢か」「無意識に何を考えているか」を想像して書き出します。

 

  1. その摩擦を解消するアイデアを出す

書き出した摩擦を解決、あるいは楽しさに変えるためのアイデアを考えます。

 

では、実際に考えてみましょう。

たとえば「店頭でハンドクリームをお試しする」という行動をコマ送りにして分解してみます。

コマ 動作(スローモーション) 無意識の摩擦(ストレス) 売り場でのアイデアの種
1 テスター容器に手を伸ばす 容器が汚れていないか少し気になる。 触れると自動で適量が出る「非接触テスター什器」
2 キャップを開け手の甲に載せる キャップを一時的に置く場所に迷う。 キャップが本体から離れないプッシュ式ボトルへの詰め替え
3 両手をこすり合わせ塗り込む 塗った後のベタつきでスマホに触りづらい。 エアタオル機能や、手を拭く使い捨てタオルとゴミ捨て場設置
4 香りを嗅ぐ 必死に匂いを嗅ぐ姿が、少し恥ずかしい。 前に立つだけで優しく香る「香り体験センサー」つき
5 テスターを元の位置に戻す 元あった場所がどこか一瞬迷う。 戻すべき位置が光る「スマートトレー」

どうでしょうか? 「ハンドクリームを試す」という短い行動の中に、これだけの「小さな摩擦」と「アイデアの可能性」が隠されていたことに驚きませんか?

私たちが売り場づくりで大切にしている「わくわくする出会い」においても、「あ、これ良さそう」から「試してみたい」へ移るほんの1秒の間に、お客さまの心がどう動くかを捉えなおすのに役立つかもしれません。こうした「1秒の無意識」に寄り添うことが新しいアイデアを運んでくるかもしれません。

 

もう一つ分解してみましょう。

店頭で「デジタルサイネージの前を通り過ぎる」アクション(約5秒)

コマ 動作(スローモーション) 無意識の摩擦(ストレス) 売り場でのアイデアの種
1 視界の端にサイネージの光や動きが入る(歩行中) 「何か動いているな」とは思うが、自分には関係のない広告だと思って視線をスルーしようとする。 通行人の歩く速度に連動して、映像内のキャラクターが一緒に並走するように動く「視線誘導サイネージ」
2 画面に一瞬(0.5秒)だけ目を向ける 文字が多くて、何を紹介しているのか一瞬では理解できない。「忙しいからいいや」と目を逸らす。 3行以上のテキストを廃し、通り過ぎる一瞬で「感情」や「メリット」が直感的に伝わる「超大型1ワード・ビジュアル表示」
3 美味しそうな写真や気になるフレーズに歩行速度が少し落ちる 「ちょっと気になるけど、立ち止まってじっくり見るのは他人の目が恥ずかしい」という心理が働く。 立ち止まらなくても、歩きながらスマホを画面にかざす(あるいはQRを横目で認識する)だけで詳細が裏で保存される「歩行キープ・クリップ」
4 サイネージの横にある実物商品(什器)を見る 「画面のものはこれか」と認識するが、触っていいのか、いくらなのかがパッと分からない。 サイネージから光の矢(LED演出)が実物什器へ伸びて「今、画面に映ったのはこれ!触って試してね」と案内する連動什器
5 通り過ぎて振り返る 結局そのまま通り過ぎてしまい、さっき何が映っていたか思い出せなくなる。 通り過ぎた後、数歩歩いた場所にあるフロアマット(床面)に「さっきの気になりました?売り場はあちらです」と優しく投影されるリマインドプロジェクション

通行人の「歩く・見る・通り過ぎる」という5秒間のアクションを細分化してみると、「立ち止まることへの心理的抵抗」や「一瞬での理解の限界」というリアルな摩擦が見えてきますね。

常識のフタを外して、スローな世界を覗いてみる。

この発想法のコツは、自分が普段どれだけ「無意識の自動運転」で生きているかを自覚することです。 あえてスローモーションで自分の行動を分解してみると、「ああ、自分はいつもここで一瞬、ためらっていたんだなぁ」というような面白い発見が必ずあるはずです。

忙しい毎日だからこそ、たまには頭のスピードをグッと落として、スローなコマ送りの世界を覗いてみてはどうでしょうか。そこには、まだ誰も手をつけていない、あなただけのキラッと光るアイデアが転がっているかもしれませんね。

 

ではまた次回。今回はここまで。

 

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