Scroll

新商品開発のための記憶抽出リストとは? あなたのためのアイデア発想 6

2023.02.13

新商品開発のための記憶抽出リストとは? あなたのためのアイデア発想 6

news image

こんにちは。ホンブチョウです。この連載コラムでは私が今まで学んできたアイデア発想のやり方を毎回ひとつづつ紹介していくことで、あなたに合ったやり方を見つけてもらいたいと考えています。

 

第六回は

新商品開発のための記憶抽出リストとは?

今回は新商品開発などで、何から考えればいいか見当がつかない時などに活躍する発想法です。おそらくこれを読まれている方は大人の方が多いでしょうから、各人の記憶の引き出しにはたくさんのアイデアのネタとなる記憶が詰まっているはずです。ただ、あてもなく思い出せと言われても困ってしまうので、質問を元に記憶の引き出しを開けていくようにします。質問は基本的には7つです。(基本的にはと書いたのは考えながら質問が増えても構わないからです。)

 

  1. 「外観はどうか?」 →見た目、形状、色、模様、質感など、視覚的な記憶。
  2. 「動作はどうか?」 →それを使って何をするか?動作に対する記憶。
  3. 「状態はどうか?」 →置かれている状況や、状態の記憶。
  4. 「変化するかどうか?」 →時間や動作によってどう変化するかの記憶。
  5. 「機能的にはどうか?」 →効果、効能、感触、味、音など目に見えない記憶。
  6. 「意味的にはどうか?」 →それがどんな意味を持つかの記憶。
  7. 「文化的にはどうか?」 →特定の国や、文化、歴史にまつわる記憶。

 

そして出てきたリストをもとにその先を連想していきます。

例えば「缶コーヒー」をお題に6の「意味」の記憶を引き出すと、「ホッとする、目が覚める、温まる」などが出てきます。そしてその先を連想すると、「公園のベンチ、目覚まし時計、お風呂」などが出てきます。詳しくは次の画像を見てみてください。イメージが湧くと思います。この連想の部分は別に一つでないといけない訳ではありません。やり方はマインドマップのように広げていくのでも構いませんし、エクセルのリストみたいにしていくのでも構いません。人により、好みは分かれるところだと思います。

 

 

さてここからが本番です。

出てきたリストをもとに「お題」と、何の共通点がないようなものでも、組み合わせてみます。

例えば、「缶コーヒーとお風呂」で「風呂上り専用缶コーヒー」とか、「ベッドサイドに置いておく、おめざコーヒー」とか、「ストーブの火で温めたようなとろーりコーヒー」とか。

何かしらのつながりがある中での組み合わせですので、親和性も高く組み合わせやすいのでアイデアも出てきやすくなるはずです。さらに広げようとすると、あなたとは別の人にも同じようにやってもらい、自分の記憶にはない記憶から組み合わせの幅を広げるのも楽しいです。

ただひとつ注意しておかないといけないのは、はじめに新商品開発などで使えると書きましたが、「あまりにも個人的な記憶」だと、そこから連想したものは他の人に伝わらない商品になってしまうかもしれないということです。もちろん同じような趣味趣向の人がそれなりにいるような記憶ならいいのですが、「私とおばあちゃんしか知らない秘密の記憶」などだと、多くの人の理解・共感も得られないということです。

とはいえ、連想されるものに正解不正解があるものでは無いので、まずはやってみることをオススメします。価値観は時代によって変わり、巡るものなので昔は共感なんていうものにはあまり価値がなかったものが、SNSの発達とコミュニティが分散化していく中で、今はとても大事なことだというふうに変わってきたように。

さてさて、この手法は、お題に対してあなたの頭の中にすでにある、大量の情報要素から注入する新しい要素を掘り出して、切り出して、組み合わせる。そんなやり方です。また似たような手法に「6観点リスト」というやり方もあります。これは「人、モノ、プロセス、環境、価値、五感」という観点で同じように探していくものです。

いずれにせよ、何をトリガーとして発想のヒントとなるものを引っ張り出すか?ということですね。

では、今回はここまで。また次回。

 

 

前の記事(発想5 )へ  │  次の記事へ

 

 

pink accent blue accent