「月刊販促会議」2024年8月号に当社の寄稿記事が掲載されました

当社、専務取締役、山根の寄稿記事が掲載されました。
記事の内容は「販促と環境配慮の両立」です。本記事では、クライアントはもちろん我々が直面する重要な課題である販促活動と環境保護の両立について、実践的なアプローチと具体的な事例を交えて解説しています。
今回のBIKO通信では、特別にその内容をお伝えいたします。
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特集テーマ:「環境配慮は必須科目へサステナビリティ販促のススメ」
メーカー・流通・消費者の三者にとって最適な環境配慮型の販促ツールを考える
社会的に環境に配慮された販促ツールが求められているとはいえ、クライアントの予算やスケジュールが優先され結果的に採用されないこともある。そういった事態を防ぐためには、企業が環境配慮型販促物を使いたいと感じるポイントをおさえ、提案することが求められる。その極意を店頭販促の支援を手がける美工 専務取締役の山根英司氏が語る。
私たち美工は、什器やPOPを開発して、企業の店頭販促に関するお手伝いをしている制作会社です。クライアントや協力会社と買い物の新たな価値を共創し、自然と共生するためにはどうすればよいかと考える中で、サステナビリティを意識し始めました。本格的に環境配慮型の販促物制作に注力するようになったのは2019年、当社のブランドブックを作成したタイミングです。
そこから、全社的な取り組みとして、環境にやさしい原材料の利用促進や、店頭販促物でよく使われるフックを当社独自の環境対応型にするといったことを提案し続けてきました。
近年では、クライアントからも当たり前にそれらが求められるようになってきていますし、「環境に配慮しているか」が什器採用の判断基準の一つにもなってきています。
写真は、ロート製薬様にて採用された環境配慮型のフック。プラスチック使用量を減らして分別不要な可燃対応素材で制作することで、廃棄時の負担を軽減している。
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ツールとしての機能性とCO₂削減率を両立する
当社として最近最も力を入れていることの一つに、輸送エネルギーを抑制するための梱包スリム化と省資材を目指した販促物の開発があります。ただ、省資源をしたことによって、什器としての組み立てやすさが損なわれていては意味がありません。そこには店頭における人手不足問題を意識した、設置・廃棄の手間を削減するアイデアが含まれている必要があります。そうでないと、環境配慮と販促の両立とはいえません。また、輸送時にかかるCO₂軽減という観点で「販促物に商品をセットして梱包・発送してほしい」との依頼も増えています。販促物の利用率向上というメリットだけでなく、商品の過剰な梱包を減らすことができるというものです。
長期的な取引のある別メーカーでは、昨年度よりいかに省梱包を実現しながら什器としての機能性を高めることができるかが重要視されるケースもあります。什器やPOPを環境配慮型の仕様に変更した結果どのくらいのCO₂排出量の軽減につながったかを可視化することで、クライアント側はもちろん、当社内の意識向上にもつながっています。
これらの取り組みは、メーカーとしても制作会社としても、流通側の目線でも「必要なこと」と認識されていますし、このような事例は年々増えているように感じます。
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企業に長く使いたいと思ってもらえる什器をつくる
そして什器・POPの業界では、環境配慮の観点で「継続して使用できるかどうか」も求められるようになってきました。
その例として、2023年、POP広告のコンテスト「JPM POPクリエイティブ・アワード」にて最高賞の経済産業大臣賞に選ばれた、当社の「リアモニ什器」があります。これは大型モニターを実物大の冷蔵庫に見立てることで、収納イメージを見せる、冷蔵庫の機能構造を見せるといったことが可能になり、接客のリアリティと説得力が向上していると評価されたものです。
環境配慮的な側面としては「使い続ける」という考えを初期設計の段階から組み込んでいる点が特徴的です。まず、什器内のコンテンツは最大5つまで設定できるため、新製品が出た際にも新しい什器を制作する必要がなく、すぐに追加できるようになっています。そのため、従来のように実機サンプルを入れ替える必要がありません。
また、コンテンツの更新作業も簡易にしておくことで、ネット環境の有無にかかわらず、誰でも簡単にアップデートし、長く使い続けられるような工夫を行っています。

私たちの仕事は、環境に配慮することを意識しなければ大量の廃棄物を出すことにもなりかねません。省資材といった視点だけでなく、長く大切に使ってもらえるためのツール開発という視点も大事にする必要があります。製品の魅力を最大限伝えるという什器本来の価値を高めながら、継続して使用できるかたちの提案をすることも、環境配慮と販促の両立につながると思うのです。
写真は、パナソニック様向けに制作し「JPM POPクリエイティブ・アワード」最高賞の経済産業大臣賞を獲得した「リアモニ什器」。
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売り場での買い物を通した「ウェルビーイング」の実現
さらに私たちは、買い物におけるあらゆる接点で、生活者と企業・ブランドが仲間や家族のような“共同体” として「環境問題」「貧困や差別」について考え、そういった社会問題が解決されていくウェルビーイングな未来を目指しています。
それを当社では「買い物5.0」の未来と定義づけ、買い物の「ワクワク」「ドキドキ」を通して、幸福で充実した暮らしのための買い物をつくるお手伝いを続けていく方針です。そういった点でも、エシカル販促は外すことのできないテーマだと感じています。
図は、「買い物5.0」のイメージ。 従来の「メーカー企業」「流通企業」「買い物客」の三者が対立した関係ではなく、ともにお互いのメリットを共有できる関係性を目指す。
販促業界でも、「DX」「メタバース」「AI」など未来を予見させる様々なワードが登場しています。それらの手段と60年以上にわたり、買い物という枠を超えた「価値」を生み出してきた私たちの強みを掛け合わせ、より良い買い物体験を生み出していきたいと考えています。これからも、私たちのできることに邁進していきます。
美工 専務取締役 企画本部長 山根英司
1988年美工入社。企画本部一筋に各社の店頭販促に対する課題解決に従事し、2015年企画本部長取締役就任。2022年事業構想大学院大学卒 事業構想修士、2023年より現職。
– 雑誌名:販促会議2024年8月号
– 発売日:2024年7月1日
– 特集テーマ:「環境配慮は必須科目へサステナビリティ販促のススメ」
メーカー・流通・消費者の3者にとって最適な環境配慮型の販促ツールを考える
→「販促会議」7月1日(月)発売号の詳細はこちらからご覧いただけます。

